日本と海外の「美味しそう」はなぜ違うのか?
- Green Light
- 3月17日
- 読了時間: 2分
― 文化がつくる“視覚の味覚” ―
「同じ料理なのに、海外の人にはあまり美味しそうに見えない」そんな経験はありませんか?
実は「美味しそう」という感覚は、**味覚だけでなく、文化や美意識によって作られる“視覚の味覚”**でもあります。つまり、写真や見た目の印象が「美味しさ」の半分以上を決めているのです。
日本人が感じる「美味しそう」=“調和と清潔感”
日本の食文化では、「上品さ」「控えめ」「調和」が美の基準。料理写真でも以下のような特徴が好まれます。
光:やわらかく自然光中心、白っぽく淡いトーン
構図:余白を大切に、全体のバランスを重視
色彩:ベージュやグレー、淡いピンクなど中間色が多い
この美意識の背景には、茶道や和食の「引き算の美学」があります。“盛りすぎない”“語りすぎない”中に、想像力を委ねる余白がある。日本人はそこに「上品な美味しさ」を感じ取るのです。
海外が感じる「美味しそう」=“明快でポジティブ”
一方、アメリカやヨーロッパ、アジア圏の多くの国では、「明るくて鮮やか」「笑顔が見える」「勢いがある」写真が好まれます。
アメリカ:青・赤・白のコントラストが強いポジティブな印象
イタリア:赤・オレンジ・金など“情熱的な色彩”が食欲を刺激
台湾:明るくカラフルな色合いが「楽しさ」「SNS映え」に直結
フランス:彩度を落としながらも“上質さ”と“洗練”を重視
つまり、海外では「明確に伝える」「視覚で感情を動かす」ことが重要。写真の中に“勢い”や“ストーリー”を感じる構図が求められます。
視覚文化の違いが“美味しそう”を変える
日本:「察してほしい」「控えめな美」
海外:伝えたい」「共感を呼びたい」
この違いが、まさに写真の撮り方そのものに表れます。たとえば、日本では「湯気や艶」を細やかに捉えることが美とされますが、海外では「シズル感」「笑顔」「大胆な構図」で“食の喜び”を表現します。
「文化を翻訳する写真」が、世界に伝わる鍵
日本の美しい料理を、世界にきちんと伝えるためには、単に「英語の説明をつける」だけでは足りません。必要なのは、**“ビジュアルの翻訳”**です。
文化の違いを理解し、「相手の目にどう映るか」を意識することで、写真は言葉以上に伝わる力を持ちます。
まとめ
日本の“美味しそう”=余白・調和・上品さ
海外の“美味しそう”=明快・色彩・感情表現
どちらも正解。ただし「伝わる」かどうかは文化次第
写真は“翻訳できない言語”。だからこそ、文化を理解することで“伝わる写真”が生まれます。
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