瞳の色(濃さ)によってフード写真の見え方が異なる理由
- Green Light
- 8月22日
- 読了時間: 2分
「同じ料理写真なのに、海外ではあまり反応が良くなかった」──そんな経験はありませんか?実はその原因のひとつに、“瞳の色の違い”が関係しています。
■ 瞳の色が「光の感じ方」を変える
人間の瞳の色は、虹彩に含まれるメラニン量で決まります。メラニンが多い人(黒・濃い茶色の瞳)は、光を吸収しやすく明るい場所でもまぶしさを感じにくい一方、メラニンが少ない人(青・緑・明るい茶色の瞳)は、光を反射しやすく明るい光に敏感です。
つまり、同じ写真でも「明るすぎる」「コントラストが強すぎる」と感じる度合いが異なります。日本人のように瞳が黒い人には“ナチュラルな明るさ”に見えても、欧米の青い瞳の人には“白飛びして眩しい”印象になることがあるのです。
■ 明るい瞳の人は「彩度とコントラスト」に反応しやすい
欧米や北欧など、瞳の色が明るい地域では、ややコントラストが強めで色がはっきりした写真が好まれる傾向があります。これは瞳が光を多く反射するため、淡いトーンだと全体が“白っぽく見えてしまう”ためです。
たとえば、アメリカやイタリアでは「赤・オレンジ・金」などの温かい色調が人気。一方で日本や北欧では「白・グレー・淡いピンク」といった柔らかなトーンが安心感を与えます。これは文化的背景だけでなく、瞳の色の生理的特性ともリンクしているのです。
■ フード写真での実践ポイント
ターゲットの国の“瞳の色”を意識する 明るい瞳の人が多い国(欧米・北欧)向けには、 コントラストを強め、照明はやや斜めから立体感を出すのが効果的です。
暗い瞳の人が多い国(アジア圏)では柔らかい光を 明るすぎる照明よりも、自然光を使った“やわらかく調和のある写真”が好まれます。
彩度と明度のバランスを調整する 同じ料理でも、輸出国の瞳の色に合わせて 写真全体の「トーン」を変えることで印象が大きく変わります。
■ 「文化」だけでなく「生理的な見え方」も翻訳する時代へ
「写真は世界共通の言語」と言われますが、実際には“見え方”という生理的な違いが存在します。文化だけでなく、光の感じ方・色の受け取り方まで含めてデザインすることが、**インバウンド時代の「伝わる写真」**の鍵です。
海外の方の瞳に、あなたの料理がどう映っているか。その視点を持つことで、写真の表現力は格段に上がります。
📷 写真監修:Light & Green Inc.お問い合わせはこちら → https://www.foodphoto-shoko.com/contact



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